デモ、そして、空白の一年
こんにちは
ベナンでは連日、寝苦しい夜が続いております。
停電で目覚め、マラリア予防薬の副作用で目覚め、近くのモスクのアザーンで目覚め
常に寝不足です。
さて、今日は先日行われた教員によるデモ行進についてです。
年明けから始まった
給与の未払いが原因のストライキが3月に入り激化しました。
ストライキが始まった当初は
一週間のうちの火曜日、水曜日、木曜日の授業放棄でした。
それが
今月になってから金曜日も授業放棄になり、
現在、月曜日しか授業がありません。
しかし、その月曜日にも
授業放棄している教員もいます。
✳︎もちろん地域差、学校による差はありますが
正直、学校教育の崩壊です。
以下に関しては諸説ありますが
このまま3月末日までストライキが続いた場合、
今期を”空白の一年”とし
全児童が来年同じ学年をやり直すことになるそう。
この”空白の一年”は
過去に一度だけ、25〜30年前の大きな国政の転換の際に起きたと言われています。
もし今年、このような事態になれば
歴史の教科書の一ページになるくらいの出来事です。
この状況に対し
ジュグーでは先日、教員を中心とするデモ行進が行われました。
今回のデモ行進は
朝8時に街の中心部の学校に
赤い服を身にまとった教員が集まり、
5キロほど離れた県庁まで、幹線道路の片側を占拠し練り歩くというものでした。
先頭集団 |
途中から学生や、保護者も参加し
かなり大規模なもの(正確な数はわかりませんが約1500人くらい?)になりました。
その規模の大きさに
警察や警察部隊も出動し物々しい雰囲気が漂っていました。
目的地の県庁。警察部隊の姿も。 |
「教員を浮浪者にするな」 |
立場上、このような政治的な活動には参加できません。
しかし、初めてここまで大規模なデモを身近に感じ、正直圧倒されました。
と同時に
学生のときに出会ったある言葉を思い出しました。
「子どもが育つ上では1つの村が必要」
学生の時にこの言葉の”村”の部分が空欄になっている問題があって
答えを聞いた時、すごく腑に落ちたのを覚えています。
色々な解釈ができますが
子どもが育つ上で必要なのは学校や教師だけではなく
保護者であったり、その地域の人々だったり、様々な教育資源だったり
1つの村が連携、連動、協働することが必要ということ。
ストライキに参加する保護者 |
今回のデモ行進に
参加する学生や保護者の姿を見て
このストライキも教師や学校だけの問題だけではなく
この村の問題なんだと実感しました。
また、この教員のストライキが
1つの村の問題となっているように
様々なアクションに対して断片的ではなく
誰が何を訴えているのか、どこまで影響が及んでいるのか
いろいろな角度から広い視野を持って捉えることが必要だと痛感しました。
しかし、この問題に対して
どうすることもできない自分が
もどかしくて無力で。
それでも
相変わらず、「ユウキ、ユウキ」と名前を呼んで駆け寄ってきてくれる子ども
にイライラしたり、癒されたりして、この街で生きています。
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